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クリスマスに傷心旅行、最高でしょ。瀧田隼 | フランス

おもしろいことのためなら時間も出費も自虐も厭わない、熱いパッションの持ち主。 イベントスペ-スを借り切っての1日カフェ企画、25歳にしてバンド結成(全員音楽経験なし)など、日々精力的に活動中。今後の動向にも要注目。

1987年生まれ 男性
職業: 会社員
初一人旅時期: 2007年12月 当時20歳
行き先: フランス

アイルランド留学中、なんとクリスマス直前に彼女にフラれてしまった瀧田隼さん。そこから 「世界一寂しいことをしてやろう!」と一発奮起、思い立ったのはクリスマスシ-ズンのパリへの一人旅。傷心旅行のお手本のような初一人旅の行く末やいかに?

世界一寂しいクリスマス

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-きっかけについては、深く聞いても大丈夫でしょうか……?

あ、うん。オフレコとかなしで大丈夫です(笑)。大学生のときに、1年間アイルランドに留学してたんです。

-(元)彼女は日本に?
留学中日本で待っててくれて、しばらく遠距離を続けてたんだけど、12月の始めくらいに別れちゃって。 実は、クリスマスに彼女をこっちに呼ぼうと思って貯金してたんだよね。30万円くらい。

-切ない! 健気ですね。
でしょ? で、あーーーってなって。お金の使い道なくなっちゃったし、クリスマス暇になったし。

-ほう。
それでそのとき、「じゃあこのお金と時間を使って世界一寂しいことしよう。せっかくのクリスマスだし」ってなぜか思って。 クリスマスのパリに一人旅しようと思い立ちました。たぶんフラれた20分後くらい(笑)。その場でPC開いて、航空券探して、予約。

-で、初の一人旅に至ったと。確かに相当寂しそう……。
本当そう。ハタチのクリスマスだよ?

1日目から波乱の幕開け

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-旅はノ-プランで?
そうですね。航空券だけ取って、ホテルも決めなかった。唯一、モンサンミッシェルには絶対に行こうとは決めてたかな。

-「THE 傷心旅行」ですね。どんな旅でしたか?
まぁ、初っ端から波瀾万丈。順を追って話すと、まずは行きの飛行機に乗るときに「delay(遅延)」の表示が出てたの。 実は逆にテンション上がったんだけどね。トラブル上等! っていう心持ちだったから。

-そうこなくっちゃ、みたいな。
そうそう。飛行機が1時間遅延して、結局夜中の11時くらいに名前も聞いたことの無いちっちゃな空港に着いた。 空港から市内はバスで30分くらいだと勝手に見込んでたんだけど、なぜかバスに乗ってもなかなか市街地に着かないの。

-で、だんだん焦ってくる、と。
恐くなってきて窓から外をちらっと覗いたら、周りに畑しかないような田舎道を時速180kmくらいでガンガン飛ばしてる。でも一向に着く気配がない。本当にパリに到着出来るのだろうか……って感じで相当焦りました。

-それは怖い! 無事に市街地に到着できたんですか?
結局、パリらしきところに到着して、バス降ろされたのが夜中1時。外の気温はマイナス5℃。超寒いし、暗い。しかも、自分がパリのどの辺りにいるのか 全くわからない。一緒にバスに乗ってた人たちは一瞬でどこかに消えてしまって、気がつけば駐車場に一人取り残されてた。

華のパリで野宿デビュ-

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-初っ端から大ピンチですね。
もうね、絶望だよね。とりあえず歩いてホテルやらバーやらカフェやら探したんだけど、どこも閉まっちゃってて。本当に寒かったから、「止まったら死ぬ」と思ってひたすら歩いてた。そしたら遠くにエッフェル塔が見えたの。お! と思って、エッフェル塔目指して歩いたら、凱旋門も見えてきて。 ようやくシャンゼリゼ通りに出られた。やったー! と思いました。

-まずは、自分の居場所がわかって一安心と。
クリスマス時期だからか、シャンゼリゼ通りもイルミネーションで明るくてすごく安心した。でもね、着いた瞬間夜中2時になったんだけど、そしたら通りの奥からイルミネーションの明かりがどんどん消えてったの。え? え? って焦ってるうちに、街頭が全部消えて、凱旋門の明かりも消えて、明るかったのが 突然真っ暗になっちゃって。再び絶望(笑)。

-それはきつい……。
本当どうしようと思って、とりあえず寒さを紛らわすために、シャンゼリゼ通りをずっと歩いた。1時間くらいまっすぐ歩いて、それからまた来た道を戻って、を繰り返してました。

-切羽詰った感じが伝わってきます。真夜中のパリ、危なくなかったですか?
歩いてる間に、ムキムキなフランス人男性やら得体の知れない黒人男性やらに6回くらいナンパされた。20年生きてきて一番恐かったね……。

-それで朝まで歩き続けたんですか?
いや、途中でもう疲れちゃって。そしたら、道沿いの公園でホームレスの人達がたくさん寝てたのを発見したのね。なぜか点々と散らばって寝てるから、 なんだろう? と思って近づいてみたら、みんな地下鉄の通気口の上に寝てるの。下からあったかい風が吹いてくるから寒くないんだよね。「なるほど!」と思って、俺も空いてる通気口探して、ボストンバッグを枕にして、そこに寝ました。

-まさかの野宿!
そう。散々だよ。でも通気口の上はあったかかったです。

言葉を失くしたモンサンミッシェルの朝焼け(と、フィレオフィッシュ)

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-1日目からすごいですが、その後の旅は無事に進んだんでしょうか?
うん、その後は平和だったかな。ここからはあんまりネタ要素ないよ?

-そういうコンセプトじゃないので大丈夫です(笑)
まずは、高校生の頃に写真を見てからずっと行きたいと思ってたモンサンミッシェルに行けて、すごく感動した。 モンサンミッシェルで朝焼けを見たいとずっと思ってて、それが実現したのが本当に嬉しかった。

-夢のモンサンミッシェル、どうでしたか?
信じられないくらい綺麗なの。目を見張るような朝焼けと、それにうっすら照らされたモンサンミッシェルと、その周りをゆっくり飛んでる鳥たちと、 対岸に立つ自分。それだけ。他の観光客とかも誰もいなくて、地平線までのその景色全部が自分のものだったんだ。

-おぉ~、情景が浮かんでくるようですね。
もう色んな感情が頭の中になだれ込んでくるんだけど、その全部が言葉ってものを超えちゃってて。思わず草むらの上に寝転がって、うはー! ってなった。

-素敵! 失恋したおかげで、ずっと行きたかった場所に行けたと。
うん、それはよかったかも。

-ちなみに、クリスマス当日はどんな感じで?
一人旅すると、現地で出会った人と友達になったりするでしょ? でもクリスマスイブだけはね、絶対一人で過ごそうって決めてました。 ハタチのクリスマスだよ? 記念すべき年でしょ。で、彼女にふられて一人でパリにいる。これは良いシチュエーションだぞ、と。

-ですね。
で、何してたかっていうと、色々寂しげなプランを検討した結果、シャンゼリゼ通りにあるルイヴィトン総本店……のはす向かいにある マクドナルドで、もそもそフィレオフィッシュ食べてた(笑)

-微妙におしゃれ(笑)

傷は全く癒えなかったけれど

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-パリの旅で、失恋の傷は癒えましたか?
傷は全く癒えなかったけど、でも行ってよかった! だって、クリスマス前に彼女にフラれるって、あんまりないでしょ? せっかくのおいしい(?)状況なんだから、それを活かさないと。例えば同じ境遇(クリスマス直前に失恋)の友達がいたら、パリ一人旅を勧めると思う。

-その心は?
彼女がいないからクリスマスは男友達と飲むとか、普通すぎてつまらないでしょ。もっと、今しかできないおもしろいことしようぜって思う。 このフランスへの旅も、おかげですごくいい思い出として残ってるしね。

-ポジティブ! そんな瀧田さんは、これからどんな旅したいですか?
基本的にね、海外に行きたい! っていう気持ちはそんなに強くないんだ。おもしろそうと思ったことが、たまたま海外でしかできないことであれば海外に行くし、 場所にはあんまりこだわらない。ただ、今一つすごく行きたい場所があって。

-お、どこですか?
ラオスで、象使いの免許を取りたい! ラオス政府公認の免許で、取ると公道で象連れて歩けるらしいの。すっごく気になる。

-それは気になりますね! これからも、どんどんおもしろいことを追求していってください。
がんばります(笑)

(インタビュアー:鼈宮谷)

 

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■瀧田 隼(Shun Takita)

ルート: パリ
期間: 4日間
費用: 5万円くらい
航空会社: Ryanair

 

転載元:Travelers Box

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