更新停止中です

今のベストを常に選び続けていきたい 濱田真里 | カンボジア

■ 濱田 真里(はまだ まり)

行動力も生き方もパワフルそのもの。自分の思いにまっすぐ向き合う姿は、周りを惹き込み、その場をパッと明るくしてくれる。

1987年生まれ 女性
職業:なでしこVoice 代表
初一人旅時期: 2009年 当時21歳
行き先: カンボジア(西回り世界一周)

ソーシャルビジネスに興味を持ったことをきっかけに、ひとりで世界に飛び出した濱田さん。実際に現地を訪れたからこその気づきと、旅を通して見えてきた自分の将来。聞いているだけでわくわくしてしまう、エネルギーに溢れた世界一周の話をしてくれました。

将来を決める前に世界を見たかった

020_4

-濱田さんは世界一周の経験者ということですが、その前にも海外一人旅はよくされていたのでしょうか?

初めての海外一人旅が、7ヶ月間の世界一周なんです。スターアライアンスの世界一周航空券を使い、アジア→中東→ヨーロッパ→アフリカ→アメリカというルートで22ヶ国を回りました。

-初めての一人旅が世界一周だなんて、思い切りましたね!きっかけは何だったのでしょうか?

まず、私の場合は、世界一周は目的ではなく、将来を考えるための手段だったんです。

-将来を考えるための手段?

きっかけは、大学2年生のときに遡ります。同学年の友人が、休学をしてカンボジアで教育支援の活動をしていたんです。その姿を見て、世界の現状を私も自分の目で見てみたいと思うようになり、活動に参加するようになりました。

-カンボジアでは実際にどのような活動をされていたのでしょうか?

カンボジアでの教育支援というと、学校を建てるケースが多いですが、私は現地の学校へのソフト面の支援に携わりました。日本から先生を派遣するとか、現地で優秀な先生を育てるための活動です。

-実際に支援の現場を見て、どう感じましたか?

今までになかった「日本以外の視点から物事を見る」という意識を持てるようになりました。そういった視点を増やすために、カンボジア以外の国にも行ってみたいと感じました。ちょうど大学卒業後の進路を考え始める時期でもあったので、今後自分がどの国のどんな現場で働いていきたいかを見定めるために、世界を見てこようと思ったんです。それが世界一周の原点ですね。

-明確な目的があっての旅だったんですね。

はい。だから、世界一周をしたかったわけではなく、世界の国際協力の現場を自分の目で見て足を運ぶ行程が、結果的に世界一周の旅になったんです。

休学という決断、そして世界一周へ

020_5-22ヶ国を回ったということですが、すべての国で国際協力の活動に参加したのですか?

ボランティア活動などに参加したのは、ベトナム、インド、トルコ、ベルギー、トーゴ、ドイツの6ヶ国です。事前に参加登録が必要だったので、その6ヶ国は行く日程を決めて、日本で登録をしてから出発しました。

-アジア、アフリカ、ヨーロッパと、かなりバラエティに富んでいますね。

そうですね。この6ヶ国を回るとなると、世界一周航空券を使った方がお得なんですよ。しかも、これを使えば16ヶ所のトランジット(2008年時点)が可能で。それなら他の国にも行っちゃおうということで、22ヶ国を回りました。

-7ヶ月ということは、学校を休んで?

はい、大学2年生を終えてから1年間の休学をして行きました。

-休学をするというのも勇気ある決断だと思いますが、不安はなかったですか?

なかったですね。むしろ、ここで休学して国際協力の現場を見ないまま、自分の将来の方向性を決めてしまうことのほうがリスクだと思いました。

-確かに、自分のやりたいことをはっきりさせるためには、興味のある世界に飛び込んでみることが大事かもしれませんね。

学生だからこそ会える人もいるし、知識や経験を与えていただくチャンスもたくさんあります。何のために休学するかにもよりますが、目的が決まっていて、それにたどり着くための手段としての休学は、無駄な時間にはならなかったと振り返ってみて思います。

全力でぶつかるコミュニケーションが肌に合うみたい

020_6

 -旅はどこからスタートしたんですか?

まずはカンボジアからスタートしました。先ほど話した教育支援のボランティアに参加したとき、現地に友達がたくさんできたんです。なので、その友達を訪ねて家に泊めてもらったり、街を案内してもらったりしました。

-現地の友達が一緒だと、心強いですね。

はい、とても安心でしたね。カンボジアでは、首都のプノンペンとアンコールワットのあるシェムリアップの2都市に行きました。移動は基本的に陸路で。行く先々での多くの人との出会いが何よりも楽しかったです。

そのあとはタイ、ベトナム、ラオスなどの東南アジアをひとりで旅したのですが、その周辺はまだ交通インフラが完全でないところもあって、移動に苦労する場面も。でも、そういうところを旅するのも、旅の醍醐味だと思いました。

-交通インフラが不完全だと、不便ではないですか?

もちろん不便ではありますが、わからないことを現地の人に聞く機会が多くなるので、必然的にコミュニケーションが生まれてよかったですね。たとえばヨーロッパだと交通インフラが整っているので、一日中誰とも話さなくても目的地に着くことが可能です。でも、それはやっぱり寂しいなと。

-なるほど。濱田さん、現地の人とのコミュニケーションは得意そうですね!

どうですかね?ちなみにですが、旅行中一番現地の人に受け入れられたのはアフリカでした。人生最大のモテ期でしたね(笑)

-おお、それはうらやましいです。相性が良かったのでしょうか?

アフリカは人懐っこい人が多かったのもあるんですけど、「全力でぶつかりあう」コミュニケーションが肌に合ったようで。みんなエネルギッシュで、一緒にいるだけで元気をもらえる日々でした。

-なんだか楽しそうな感じが伝わります。濱田さんの明るい人柄もあってこそですね!

「This is our real」から見えたもの

020_7

 -国際協力の活動に参加した6ヶ国では、具体的にどんなことを?

教育、地域活性、下水道整備のようなインフラ関連など、色々やりました。活動内容にこだわりがあったわけではなく、逆に「これから国際協力の現場で何をやりたいか?」を見つけに行く旅だったので、興味のあるテーマで現地活動をしてみようと思ったんです。

-活動を行う中で、印象的だった出来事があれば教えてください。

やはり、アフリカのトーゴで水の供給ボランティアに参加したときの経験ですね。水道を作るという活動で、そのときは、山の上流にある水を下の村々に届けるために、水源地の工事を進めていました。私が所属した団体はフランスから支援金をもらう予定だったんですが、金額が足りなくてなかなか思うように進まない状況でした。

-歯がゆいですね。

それで、私は何かをしたくても何も出来ない状況に憤りを覚えて、「なんでこんなに上手くいかないんだろう」と言ってしまったんですよね。それに対して現地の人から返ってきた言葉は、「This is our real(これが私たちの現実だ)。だから、自分たちのペースでやるしかない。」でした。

その言葉を聞いたとき、「開発や支援とはこうあるべきだ」という自分の思い込みが外れた気がしました。その人だからこそできることは何で、自分だからこそできることは何か。色々と考えた結果、自分の貢献度が一番高い行動をしたいと思うようになり、その思いを軸に自分にとっての手段を探し出しました。

-いわゆる原体験ですね。その後、トーゴで何か始められたのでしょうか?

いいえ。でも、その時からずっと、いつかトーゴのために何かをしたいという思いは持っています。別に、何かをするのは今すぐじゃなくてもいいと思うんです。今すぐにできることと、もっと経験を積んでからできること。私は後者を取りたいと思っています。

-他に、旅を通じて見えてきたことはありますか?

世界一周を通じて、自分の中で「これのために動いていきたい」と定まったものが3つあります。一つ目は「女性」、二つ目は「教育」、そして三つ目は「トーゴ」です。

-どのような形で「教育」「女性」に携わりたいのでしょうか?

私は、女性として自分のキャリアを積みながら、その実体験を持って世の中の女性がより活動しやすい環境を作りたいと思っています。また、教育とは、結果がすぐには見えないものではありますが、世の中において非常に重要な取り組みで、さまざまな問題の根本にあるものです。

例えば貧困問題にしても、教育を受けていないと貧困から抜け出すことは難しい。途上国において立場が弱くなりがちな女性はなおさらです。いつか、そういった問題に教育という視点から関わっていき、少しでも良くしていけたら嬉しいですね。

-最終的な目標として、トーゴで何かされたいという思いを含めたその3つがあるんですね。

これらの軸は北極星のようなもので、目的地としてしっかり定まっているもの。でも、そこへの最短距離を探すのではなく、その時その時でベストな道を選び続けていきたいですね。寄り道したほうが楽しいかもしれないですし、もっと良いものができるかもしれませんから。

自分が生まれ育った場所への新たな気づき

020_8

-「若者の海外離れ」と言われて久しいですが、敢えて海外に出ることを選ぶのはなぜですか?個人的には、日本だけで十分という人の気持ちも、分からなくはないのですが。

うーん、もちろん、日本にずっといても不自由なく生きていけるのは間違いないと思います。でも、私は自分が生まれ育った場所を外から見て、「私が生まれた場所はこんな形をしているんだ」という発見ができることはとても意義のあることだと思うんです。その経験は、自分の世界を必ず広げてくれます。

-ずっと同じ場所にいるとものの見方が限定されてしまうというのは、確かにありますね。

どの人も、生まれる環境は選べないですよね。他の国に行くと、そこで生まれて生きている人の人生を見ることができます。そこで初めて、自分が普段どんな環境で生きているのかに気づけると思うんです。自分が生まれた環境を客観的に比較したり認識したりできるようになったのは、やはり旅をしてさまざまな国に行ったからですね。

-最後になりますが、濱田さんはこれからまた旅をしたいという気持ちはありますか?

今は編集事の仕事をしているのですが、旅というより、仕事として海外に行く機会を作れたらと思っていますね。日本以外の国に積極的に関わっていきたいですし、これからもいろんなことにチャレンジしていきたいです。

-仕事で行くと、また違った気づきがありそうです。同世代として、すごく刺激になるお話でした。素敵なお話をありがとうございました!

ありがとうございました。

(インタビュアー:鼈宮谷)

 

▼濱田さんが代表を務める「なでしこVoice」。海外で働く女性の声が詰まったインタビューサイトです。男女問わず、海外就職に興味がある人は必見です。
http://www.nadeshiko-voice.com/

 

020_info

濱田 真里 Mari Hamada

ルート: アジア→中東→ヨーロッパ→アフリカ→アメリカ
(西回り世界一周)
期間: 約7ヶ月
費用: -
航空会社: スターアライアンス世界一周航空券

 

転載元:TRAVELERS BOX

TRIP